キッチンに冷蔵庫を置こうと思ったとき、意外と見落としがちなのが「奥行き」です。
幅や高さはしっかり測ったのに、いざ置いてみたら通路が狭くなってしまう、というケースは実は少なくありません。
冷蔵庫は毎日何度も使う家電だからこそ、置けるかどうかだけでなく、置いたあとにストレスなく使えるかどうかがとても大切です。
そしてその使い心地に大きく関わっているのが奥行きなのです。
この記事では、冷蔵庫の奥行きの基本的な考え方から、設置前に確認しておきたい細かなポイントまで、分かりやすく解説していきます。
冷蔵庫の奥行きとはどこの寸法?最初に知っておきたい基礎
本体サイズにおける「奥行き」の正しい意味

冷蔵庫の奥行きとは、前から後ろまでの長さのことです。
正面から見たときの横幅ではなく、横から見たときにどれくらい場所を取るかを示すサイズになります。
キッチンではこの奥行きが、通路の広さや人の動きやすさに大きく影響します。
特にコンロやシンクとの距離が近い場合、少しの差でも使い勝手が変わってきます。
幅・高さとの違いを整理しておこう
冷蔵庫のサイズは主に「幅・高さ・奥行き」の3つで表されます。
- 幅:左右の長さ
- 高さ:床から上までの長さ
- 奥行き:前から後ろまでの長さ
幅は横にどれだけスペースを使うか、高さは上方向の圧迫感に関わります。そして奥行きは、キッチンの動線や立ち位置に直接関係するサイズといえます。
カタログ表記と実際の出っ張りが違う理由
カタログに書かれている奥行きは、本体の基本サイズであることが多いです。
ですが実際の設置では、表示されている数字ぴったりには収まらないこともあります。
たとえば、
- ドアの丸み
- 取っ手の出っ張り
- 背面のすき間
といった部分が影響し、表示サイズより前後に余裕が必要になる場合があります。数字だけで判断せず、「実際に置いたときの姿」をイメージすることが大切です。
一般的な冷蔵庫の奥行きはどのくらいが主流?
コンパクトタイプの奥行き目安

小さめの冷蔵庫では、奥行きはだいたい50〜60cm前後がひとつの目安になります。
ワンルームや小さめのキッチンにも置きやすく、通路を圧迫しにくいサイズ感です。
標準的な家庭用サイズの奥行き
一般的な家庭向け冷蔵庫になると、奥行きは65cm前後のものが多くなります。
収納力とのバランスがとれているサイズで、幅広い家庭で使われています。
大きめモデルはここまで奥行きが深くなる
容量が大きいタイプでは、70cmを超える奥行きになることもあります。
たくさん入る反面、キッチンの通路幅によっては圧迫感につながりやすいサイズです。
また、容量は大きいものの、薄型の種類もあります。
数字だけでは足りない?実際の設置でズレが出る理由
取っ手やドア形状による前への出っ張り
デザインによっては、ドアが丸みを帯びていたり、取っ手が前に出ていたりして、見た目以上に手前へ出ることがあります。
特に冷蔵庫の奥までみっちり入れるタイプの方は、完全にドアが開けて、かつ自分が奥まで見やすい余裕が冷蔵庫の前に必要です。
キッチンの奥行きに余裕が少ない場合は、こうした部分も考慮しておきたいですね。
背面に必要な放熱スペースとは
冷蔵庫は庫内を冷やすために熱を外へ逃がしています。
そのため背面に少しすき間をあけて設置することが多く、このスペースも含めて考えると実質的な奥行きはやや長くなります。
最近の冷蔵庫は背面は「壁ピタ設置」の機種も増えています。
その場合は背面ではなく、「左右」(あるいは上なども)に放熱スペースが必要なケースも多く、壁との隙間が必要な場所は機種によって違うので、背面にスペースがあれば冷蔵庫は全部OKということではありません。
奥行きが原因で起こりやすい使いにくさ
ドアが十分に開かず棚やケースが出しにくい

奥行きに余裕がないと、ドアが壁や家具に当たって全開できないことがあります。
その結果、中の引き出しケースがスムーズに出せず、ちょっとしたストレスにつながることもあります。
通路が狭くなりキッチンの移動がしづらくなる
冷蔵庫が手前に出ることで通路が狭くなり、料理中に体を横にしないと通れない、という状況になることもあります。
毎日のことだからこそ、余裕のある動線が大切です。
ダイニング側から見たときに圧迫感が出ることも
キッチンとダイニングがつながっている間取りでは、冷蔵庫の出っ張りが視界に入りやすく、部屋全体が少し狭く感じられることもあります。
また、冷蔵庫のドアを開けているときにも、閉じている時は問題なくても開けると同時に見たい部分を見ることが出来なくなるということが起こり得ます。
冷蔵庫が置けるか調べるための測定手順
設置スペースの奥行きを正確に測る方法
まずは、冷蔵庫を置く予定の場所の壁から手前までの長さをメジャーで測ります。
床と壁の境目にある巾木(はばき)など、小さな出っ張りも忘れずにチェックしましょう。
ドア前に必要な動線スペースの考え方
冷蔵庫の前には、人が立ってドアを開け閉めできるスペースも必要です。
ドアを開けた状態で無理なく立てるか、後ろを人が通れるかも確認しておくと安心です。
見落としやすいコンセントや壁との距離
コンセントの位置によっては、プラグやコードが当たって冷蔵庫が前に出ることがあります。
コードの取り回しも含めて、実際の設置イメージを考えてみましょう。
搬入時につまずきやすいポイントも確認
玄関や廊下の幅が足りるかチェック

本体が設置場所に収まっても、そこまで運べなければ意味がありません。
玄関や廊下の幅も事前に測っておくと安心です。
曲がり角やドア枠の通り道に注意
曲がり角やドア枠は意外な落とし穴です。
特に内寸が狭い場合は、本体が通らないこともあるため注意しましょう。
エレベーター・階段のサイズも忘れず確認
集合住宅ではエレベーターの奥行きや高さも関係します。
階段搬入の場合は、手すりや天井の出っ張りにも気を付けたいところです。
引っ越す度に基本的に新居に移動させるもの、ということをどこかでうっすらとでも覚えておくと、サイズを検討しやすくなります。
住まいの間取り別に見る奥行きの注意点
賃貸キッチンで起きやすいスペース不足
賃貸住宅のキッチンは、思っているより奥行きに余裕がないことがあります。
冷蔵庫が前に出すぎると、通路がかなり狭くなってしまうこともあります。
カウンターキッチンは出っ張りが目立ちやすい
対面キッチンでは、冷蔵庫の前への出っ張りがリビング側から見えやすくなります。
空間全体の印象にも影響しやすいポイントです。
壁付けキッチンではドアの開き方が重要
壁付けタイプでは、ドアが壁側にぶつからないかどうかも確認しておきたいポイントです。
開き方によって使いやすさが変わります。
キッチンが狭く見えにくい冷蔵庫の選び方
前に出にくいデザインの特徴

取っ手が目立たないデザインや、フラットなドアのものは、見た目がすっきりしやすい傾向があります。
奥行きの数字が同じでも印象が変わることがあります。
周囲の家具や棚とラインをそろえる工夫
食器棚やカウンターの奥行きとそろえると、空間に統一感が出て整って見えます。
ちょっとした配置の工夫で印象は大きく変わります。
色や表面仕上げによる見え方の違い
明るい色や光沢の少ない表面は、圧迫感をやわらげてくれます。
キッチン全体の色合いに合わせて選ぶのもひとつの方法です。
奥行きがスリムなタイプの特徴を知っておこう
通路を広く保ちやすいメリット
奥行きが浅めのタイプは、キッチンの通路を広く確保しやすくなります。
動きやすさを重視したい方にはうれしいポイントです。
キッチン全体がすっきり見えやすい理由
出っ張りが少ないことで、空間全体がすっきりとした印象になります。
特にコンパクトなキッチンでは効果を感じやすいでしょう。
そのぶん高さや幅が必要になる場合もある
奥行きを抑える分、横幅や高さで容量を確保している場合もあります。
設置スペース全体のバランスを見て考えることが大切です。
体格によって感じる使いやすさも変わる
背が低めの人は奥が深すぎると使いづらいことも
奥が深すぎると、奥の食材に手が届きにくく感じることがあります。
1日に何度も使うもので、かつ長い年月使うことが多いものなので、ぼんやりとでも年齢のことも考慮すると後々困ることが減るかもしれません。
奥まで見渡しやすい庫内レイアウトの工夫
棚の位置が調整しやすいタイプは、奥まで見やすく使いやすい傾向があります。
奥行きだけでなく中のつくりにも目を向けてみましょう。
冷蔵庫の奥行きに関する細かい疑問まとめ
奥行きが浅いと収納量は減るの?

奥行きが浅いぶん、収納量はやや少なめになる傾向があります。
ただし棚やポケットの工夫で、使いやすさを高めているタイプもあります。
最近の冷蔵庫は昔より薄型になっている?
省スペース化が進み、以前より奥行きを抑えたモデルも増えてきています。
キッチン事情に合わせた設計が広がってきています。
壁にぴったり付けて設置しても問題ない?
機種によっては問題ない場合もありますが、放熱のためにすき間が必要なこともあります。
長く安心して使うためにも、設置条件は確認しておいたほうがいいです。
まとめ。

最後にざっくりですが、チェックポイントをまとめます。
-
カタログ値だけでなく「取っ手」と「放熱スペース」を足して考える
-
ドアを全開にしたときの「最大奥行き」を確認する
-
設置したあとの「通路幅」が80cm以上あるかシミュレーションする
冷蔵庫選びでは幅や容量に目が行きがちですが、実際の暮らしやすさを左右するのは奥行きであることも少なくありません。
設置場所のサイズだけでなく、動きやすさや見た目のバランスまで考えておくことで、あとから「置けたけど使いにくい」と感じにくくなります。
少し手間はかかりますが、事前にしっかり確認しておくことで、キッチンでの毎日がぐっと快適になります。

